プロフェッショナルな英文メールの書き方

『日本人からのメールって、言いたいことがよくわからないし、
失礼で中学生のメールみたいなんだよね…』

リモートワークが続く中、私のカナダ人のお客様がそんなことをつぶやいていました。

ただ、私たち日本人は、英文を書くことの方が会話をすることよりも得意なはず…
そんな私たちが、なぜ「中学生みたいなメール」を書いてしまうのでしょうか?

今日はプロフェッショナルな英文メールの書き方について、良いメール・悪いメールの例を通して、紹介していきます。
仕事でも通用するプロフェッショナルなメールを書くためのポイントは、文脈重視のメール

これだけおさえてしまえば、あなたもすぐにプロフェッショナルなメールが書けるようになります!

それ失礼です!こんなメール書いていませんか?

マーケティング部の会議で、来年4月に行われる展示会にDavidを呼ぶことが提案されました。
安住さん(平社員)は展示会参加可否についてDavidにメールを送ります。
Davidは技術部門の課長。
過去数回メールでやり取りをしたことがあり、お互いの存在を認識している程度の仲です。

————————–
Dear Mr. David,
Are you available on 5th April, 2017?
We are going to have an exhibition in Japan.
I would like you to come to the exhibition to support customers.
Please reply to me whether you can come or not by 15 Nov.
I attached the schedule, location and so on, so please have a look.
Kana Azumi
————————–

日本人がしがちなミスをいくつか散りばめましたが、皆さん気づかれましたか?
アメリカ人・カナダ人のビジネスパーソンにメールの印象を聞いたところ、「英語もよろしくないし、中身もないメール」とのこと。
ではどこをどう直せばいいのでしょうか?

答えはこれ!

————————–
Dear Mr. David,
→Mr./Ms./Mrs.などのSaltationはフルネームもしくは姓につけるもので、基本的に名前には付けません。
Are you available on 5th April, 2017?
→まずは何についてメールを書いているか伝えて、要件にはいりましょう!
We are going to have an exhibition in Japan.
I would like you to come to the exhibition to support customers.
→主語は ‘I’ ですか?’We’ ですか?
私たちは ‘We’ を ‘I’ と使ってしまったり、‘I’ と書くべきところを ‘We’ と使ったりしてしまいがちです。
Please reply to me whether you can come or not by 15 Nov.
→Pleaseを使えば失礼ではないと思いがちですが、そうではありません。
丁寧にいいたい場合は「Could you」や「Would you」を使って質問をしましょう。
I attached the schedule, location and so on, so please have a look.
→I attachedは過去に書類を添付したことになってしまいます。
このメールに添付したのであれば現在完了の「I have attached」を使いましょう!
→日本人はAnd so onを使いすぎる傾向にあります。
3つ程度しか事柄がない場合はすべて記載してください。
→結語のThank youやRegardsがないのは失礼です!
Azumi
————————–

日本語のメールは見やすさ重視ですが、英文は文脈重視です。
文の内容がつながっているのにも関わらず、改行したり説明を省いたりしてはいけません。
また、このサンプルメールは、あまり話したことがない上司に対して、唐突で丁寧さに欠けるメールを送っており、全体的に失礼な印象を与えてしまっています。

英語は私たちの母国語ではありません。
ですが、意図せずに失礼と思われるのは不本意ですよね。
下の良いメールの例を参考に、メールを書いてみてください。

こんなメールを書きましょう!

————————-
Dear Mr. David Smith,
I am writing this email to you regarding an exhibition the company has decided to attend in April, 2017.
The purpose of this participation is to launch our new product and to get leads for expanding our industrial market. In order to provide technical information to engineers who visit the exhibition, we would like to know your availability for 5th April.
I have attached two documents for you to see the details of the exhibition:
Location and schedule
Type of visitors
It would be appreciated if you could reply to us by 15 November. Please feel free to contact me if you have any questions.
Thank you and best regards,
Kana Azumi
————————–

違いを分かっていただけたでしょうか?
悪い例のほうがシンプルでわかりやすい気はするのですが、良い例は、悪い例の訂正部分に加え、展示会への参加の目的を明確にしています。
日本語ではほとんどの人がしている説明だとは思いますが、英語でメールを書くときはなんだか面倒で、目的や背景を書かない人が多いです。
ですが、目的や背景を書くことは、読み手がメールの中身がある・ないを判断する1つの要素です。
手を抜かずに、しっかり目的や背景を明確にしましょう

プロフェッショナルな英文メールを書くためには?

1. 何についてメールを書いているかを明確にしてから要件を伝える。
2. Pleaseを付ければ丁寧というわけではない
丁寧な言い回しのレパートリーを増やしましょう。
3. 主語は誰なのか明確にする
4. 日本語でも書く必要情報は英語でも書く

丁寧な言い回し、コンテンツ重視の論理的な構成で、プロフェッショナルなメールを書き、信頼関係を築いていきましょう。

ちなみにですが、LGBTQの流れもあり、「Mr. 」「Ms.」などのジェンダータイトルを使わない人も増えているようです。そんな人たちがどうしているのかというと、

「To “full name”」や「Dear “full name”」

時代の流れに沿ってメールの書き方も変わっていきます。もちろんどのように対応するのかは、あなたの考え次第ですが、常に世の中がどう流れているのかアンテナを張るようにしておきましょう!