That is a problem.
(それは問題ですね)
This is a problem.
(これは問題ですね)
突然ですが、この2つの文の若干のニュアンスの違いが皆さんはわかりますか?
チームミーティングなどで、あなたが”That is”をつかうか”This is”を使うかによって、
あなたの発言に対するチームメンバーの印象が大きく変わります。
このThisとThatの違いは、その事柄が自分の守備範囲内に存在しているかどうか、にあります。
今日はそんなThisとThatのニュアンスの違いについて。
この違いを理解して、誤解の少ないコミュニケーションをとれるようになりましょう。
ThisとThatで異なるあなたの立ち位置
例えばあなたのチームが担当しているプロジェクトで、チームメンバーがこのように言ったとします。
「We are over our budget」(予算オーバーしてしまっています)
あなたは、
「This is a problem」、「That is a problem」どちらの言い方もすることができます。
ですが、どちらを使うかによってあなたの伝えたいニュアンスが微妙に異なってしまいます。
「This is a problem」の場合
もしあなたが「This is a problem」といった場合、この問題はあなたの守備範囲に存在しています。
相手には、あなたが「自分ごと」として問題を捉え、「それは(私たちが対処すべき)問題ですね」といったニュアンスで伝わっています。
「That is a problem」の場合
一方であなたが「That is a problem」といった場合、この問題はあなたの守備範囲外に存在しています。
相手には、あなたは客観的な立場から問題を捉え、「それは問題ですね」と発言をしているように伝わります。
This/Thatの違いで外国人に伝わる印象
ここでThisとThatの使い分けがうまくできず、赴任先でちょっとした誤解を与えてしまった設計部Sさんの例を紹介したいと思います。
新製品開発プロジェクトのリーダーを赴任先で勤めていたSさん。
彼は「This」は自分の近くにあるもの、「That」は自分の近くにないもの、という理解をしており、英語を話す際は、彼のチームメンバーの担当する事柄には「That」を使い、自分が担当する事柄には「This」を使っていました。
そのことから、彼のチームメンバーは、このような印象を受けていました。
「困ったことがあると助けてくれるけど、いつも他人事のように聞こえる」
「何かあった時には責任を押し付けられるんじゃないか」
幸い、チームメンバーと信頼関係を築けていたSさんは、
大きなコミュニケーションの問題もなく、プロジェクトを遂行することができました。
ですが、信頼関係が築けていない相手とコミュニケーションをとる際は、このような小さな誤解が、大きなコミュニケーションの歪みを生むこともあります。
そのためThisとThatの違いを理解して、あなたの意図を反映した言い方をすることが大切です。
小さくて大きな違いを生む「This/That」
ThisとThatのニュアンスの違いを理解して頂けたでしょうか?
この2つの単語が与えるニュアンスの違いは、
その事柄が自分の守備範囲内に存在しているかどうか。
Thisを使えば、その事柄はあなたの守備範囲の中にある印象を与え、
Thatを使えば、その事柄はあなたの守備範囲外にあるという印象を与えます。
ThisとThatの使い分けを行い、より誤解の少ないコミュニケーションをとれるようになりましょう。