チームワークは日本だけ?-外国人とうまく仕事を進めるための3つの秘訣。

あなたは新製品開発のプロジェクト担当者です。
最近はワークロードが高く毎日残業をしています。
ある日、明日が締め切りの資料があることに気が付きました。
大急ぎで資料を準備していると、気を利かせた同僚が自ら資料作りを手伝ってくれました。
「ああ、こういうサポートが助かる…」と、あなたはチームのサポートにとても感謝しました。

このように、日本で仕事をしていると、先輩や同僚があなたの状況を見て、能動的に仕事を手伝ってくれる時がありますよね。
お互いがお互いの状況を考えて助け合う。団結力や達成感を感じさせてくれるものでもあります。

でも、そんなチームワークは海外でもあるのでしょうか?
今日は、外国人の同僚と仕事をスムーズに進めるためには、どんなことが必要なのか紹介していきます。

こんなチームワークって、海外でもあるの?

海外、特に欧米では、「相手の状況を考えて自ら手伝いをする」そういう形でチームが動くことはありません。
海外では職務所掌(Job description)が明確に定義されており、自分と人の仕事内容・権限の境界線が明確になっています。
あなたの仕事はあなたの仕事。私の仕事は私の仕事。その線引きが明確です。
また、成果主義を採用している会社が多く、自らのボーナスに直結しないことから、特に営業では人の仕事を自ら手伝う、ということはほとんどないのです。

そのため、「相手の状況を考えて自ら手伝いをする」、といったチームワークを外国人の同僚に期待してはいけません。

同僚から協力してもらえないSさん

新製品開発を担当しているSさん。
彼は、To do listの担当者を明確に行わなわず、また、海外での職務所掌を考慮せずに仕事を進めたため、現地の人は常に混乱状態に陥ってしまいました。
Sさんは技術・商業すべての対応をしなければならず常に残業。

そんな中、プロトタイプ購入予定の客先から価格に対する質問が営業に届きます。
営業は普段なら自分で返事をしていることですが(自分に決定権があるため)、この件に関しては担当者Sさんにメールを転送し、客先に返信をするように依頼。

「誰も協力してくれない!普段担当してやっていることだし、仕方ないからやってやるか!みたいなのないのかな!」
と、Sさんは愚痴と苛立ちを発散!

たった3つのポイントをおさえるだけで、外国人に協力してもらえるようになる

Sさんが同僚から協力をえられなかった理由は、
海外での職務所掌を尊重せず、日本のやり方で仕事を押し進めてしまったからです。
Sさんは、同僚と仕事を円滑に進めるために以下の3つのポイントを抑える必要がありました。

1.各仕事の担当者を明確にする。
2.担当者は職務所掌を考慮したものにする。
3.Projectの状況を共有する。

なぜなら、そのことによって;
1.担当者が自分の仕事の範囲を理解し、仕事を進めやすくなる。
2.担当者が職務権限を越えないため、どうしていいのかわからない状況、社内ルールに反するリスクを避けられる。
3.Projectの状況やコミュニケーションルートが明確になることによって、協力してもらえるようになる。
(欧米では決定や行為に対し責任があり、それが原因でクビになることもあります。
だれも混乱状況にあるProjectを自ら望んで手伝いたくないですよね)

1人1人が責任を負い仕事を全うすることでプロジェクトが進む。
これが海外でのチームワークです。

現地のやり方を尊重してチームを作ろう

海外の方(特に欧米人)には、「忙しそうだからやってあげよう」という助け合いの精神はありません。
彼らとうまく仕事を進めていくには、これら3つのポイントをおさえることが大切です。

1.各仕事の担当者を明確にする。
2.担当者は職務所掌を考慮したものにする。
3.Projectの状況を共有する。

チームとして仕事をするには、彼らの法律や文化背景を尊重した3つのポイントが必要です。
それでも彼らが助けてくれない場合は、上司に相談し人をアサインしてもらうようにしましょう。