クルーズ船でのコロナ感染に関する英語・日本語での発信で注目された、神戸大学の岩田医師。コロナが世界流行してから、様々なニュースで取り上げられています。
クルーズ船に関する彼の発信方法が正しかったのかどうか、感染症対策で何が正解だったのかどうかは別にして、この記事の彼の発信から、異文化間でも問題として現れてしまう日本人の弱点が垣間見えます。
それは、日本人は「問題提起を個人攻撃と受け止めてしまう」こと。
改善を提案すると「個人攻撃」と捉えてしまう
日本だと、現場はいつもいっぱいいっぱいなので、意見はできない、よって当初の方針は変更できない。プランAに固執して、失敗したときの代替案(プランB)に舵を切れない。間違え出すと、いつまでも間違え続ける。これは、リーダーを含め個人の責任ではなく、ましてや彼らの誠意ややる気の問題でもなく、単に組織構造の問題なのだ。日本で何か問題提起し、改善を提案すると、すぐに「個人攻撃」と捉える人が多いので、この点は強調しておきたい。
コロナ禍の豪華客船に入った医師が感じた「日本のいじめの構造」
彼の記事から引用しているこの文には、日本で多く起こりやすい3つの弱点が見えます。
- 物事を進めながら修正していくことが苦手
- 上司へ意見を出すことができない
- 問題提起をすると個人攻撃と受け止めてしまう
この3番目の弱点「問題提起をすると個人攻撃と受け止めてしまう」は、特に欧米人と仕事をする際に顕著に表れ、プロジェクト遂行を邪魔してしまいます。
ビジネスはビジネスが欧米の常識
私たち日本人と欧米人の間には、ビジネス上で意見交換を行う際に根本的な意識の違いがあります。
欧米人の彼らにとって、意見交換は問題解決やより良い結果を出すことが目的にあります。
そのため、反対意見はある個人に対してなされているのではなく、ビジネスでの事柄に対して出されているという理解をしています。
このことから、欧米人は反対意見でも直接相手に伝えることに大きな抵抗はありません。
激しい議論をした相手とでも、会議後には楽しく食事に行ったり飲みに行ったりできてしまうのはこれが理由です。
一方で、私たち日本人は何か反対意見や注意をする際、第三者を挟んだり、根回しをしてそれとなく相手に反対意見を伝えます。
それは私たちがより良い間関係を保ちたいとう気持ちや、相手の立場を考慮している気遣いでもあります。ですが、それは反対意見を個人への攻撃と受けとめてしまいがち、違う一面も持っていると言えます。
そしてその弱点が、異文化間でのコミュニケーションだけではなく、今回のクルーズ船での対策でも表れてしまったことが、岩田医師の記事でも読み取れるのではないでしょうか。
仕事は仕事ということを忘れない
今日は、クルーズ船でのコロナ対応を、異文化間で起こりうる問題解決の視点で見てみました。
欧米人・日本人間では、意見交換や問題提起をする際、大きな認識の違いがあります。
それは、ビジネスだけの問題として見ているのか、個人の感情も考慮してみているのか、という点です。
欧米人と仕事を会議や意見交換をする際は、仕事場での会話はあくまで仕事上のことであることを覚えておきましょう。
そして、感情的にならず、自分の意見を明確に伝えるようにしましょう。