「海外企業や同僚との仕事が進まない」を解決 – その1:仕事をしてくれない

「注文した品物の配送状況を聞いているだけなのに返事が遅い」
「納期遅れで連絡するなら、いつが到着日になるのか一緒に連絡するべきだろ」
「在庫がないのに、代案も提示しないなんて」

海外ベンダーと仕事をしていて、一度はそんな思いを抱いたことがあるのではないでしょうか?
日本の下請け企業であれば聞かずとも、
製品がないのであれば代案が届いたり、いつの納品になるのか連絡が来ます。

ですが、海外ベンダーとなるとそれがなく、
いつもこちらから全てを確認せねばならず、手間を感じる方が多いと思います。

今日の記事では、そんな手間のかかる海外企業や同僚とスムーズに仕事を進めるポイントをお伝えします。

要求を明確にして手間を省こう

海外ベンダーとのやり取りを楽にする唯一のポイントは、あなたの要求を明確にして連絡をする、ということです。

海外で忖度があるのか、という記事でも書いた通り、海外では忖度や空気を読むということがあまりなく、何か要求がある場合は、自分の要求を明確に伝えることが必要になります。

海外(特に欧米)では、何か要求がある側は、それを相手に伝えることが常識であり、その大前提を元にビジネスが成り立っています。

海外でも「忖度」ってあるの?

なぜ外国人は予測して対応してくれないのか?

日本では、空気を読むことや、相手が求めることを予測し先回りをして返答をしたり準備をすることが当たり前となっています。
それは日本が島国として何千年も機能して、長い間、同じ文化や言語を共有していたことからなせる技です。

一方で、移民から成り立った国アメリカや、大陸続きで様々な民族と昔から交流をしているヨーロッパでは、言語や文化が異なり、相手の要求を予測したり、先回りすることが難しいため、自らが言葉で要求を明確にすることが当たり前なのです。

例えば、私たち日本人が電話を掛けるとき、「●●様はいらっしゃいますか?」と聞くと、『はい、少々お待ちください』と電話を繋いでくれますよね?

これは、電話の受け手が、あなたが●●さんと話したいことを予測して、電話を繋いでくれています。

ですが、英語で電話を掛けるときは、このように質問をします。
「Can I talk to Ms. Smith?」(スミスさんと話せますか?)

電話の受け手は何も予測をすることなく、スミスさんに電話を繋げます。

このように、私たちが気づかないところでも、意図を明確にするということが、日常の一部になっているのが彼らのコミュニケーションの基礎です。

このコミュニケーションの差が分かると、実は、海外ベンダーはあなたの要求を明確に理解していないだけ、ということに気付くのではないでしょうか。

「でも、どういう風に明確にすればいいのか分からない」

そんな方にむけて、いくつかのケースを紹介します。

「こんな時どう言えばいいの?」3つのケース

海外ベンダーとのやり取りで比較的よくあるケースを3つ用意しました。
これらのケースを参考に、彼らとコミュニケーションをとってみてください。

ケース1:注文した素材の納期を聞きたい

皆さんは海外のベンダーに、注文した素材の状況を理解するために、
このようなメールを送ったことはありませんか?

「Please let us know the status of the material」
(この素材の状況を教えてくれませんか?)

この文を外国人が受け取ると、あなたの意図を理解することができません。
この文からだと、あなたが素材のどんな状況を知りたいかが不明確だからです。

『どの素材のことを言っているんだろう?素材の保管環境を聞いているのかな?』
そんなことがおそらく頭に浮かんでいる外国人は、
残念ながら聞くのが面倒になってあなたのメールを無視する人もいます・・・

この状況を避けるためには、

「Please let me know the status of delivery of the material」
(この素材の配送状況を教えてくれますか?)

このように、あなたが何を知りたいのかを明確に伝えましょう。

ケース2:納期遅れといわれた後、音沙汰がない

「納期が遅れる」と言われた後、そのあと音沙汰がなく何を考えているかわからない!

日本人なら、客先に電話をして状況をアップデートしたり、納品はいつになるのか連絡するのが当たり前です。
ですが、この点も外国人と日本人ではアプローチの方法が違います。

「納期が遅れる」と言われた場合は、
「Ok, I understand」だけを返信するのではなく、あなたが次に何を求めているか相手に伝えましょう

「Ok, I understand the situation.
Please let us know what date you can ship the product.」
(わかりました。いつ商品を送られるのか教えてください)

「Would you let me know any company which have similar product?」
(似たような商品を扱っている会社を知っていますか?)

ケース3:電話ではやるといったのにその後音沙汰がない

「電話ではやるといったのに、何も連絡がない」

相手が純粋に忘れていることもあれば、
頼んだと思ったことが伝わっていない、頼んだけど期限を言っていなかった、ということもあります。
この状況を避けるために、電話で打ち合わせをした場合や、何か頼みごとをした場合は、
電話の後に、メールで依頼内容・期限を送るようにしましょう。

これをするだけで、再度話をしなければいけない場合に、
長々と状況を話したりする必要もなくなるので効率もよくなり、おススメです。

伝わらないのが当たり前

言語だけではなく文化背景も違う、日本人と外国人。
そんな私たちが一緒に仕事をするためには、お互いの文化背景を考慮したコミュニケーションをとることが大切です。

海外ベンダーや外国人の同僚とのやり取りを楽にしたり、
彼らに仕事をしてもらうには、あなたが何を求めているのか明確に伝えることが大切です。

具体的に何の状況を知りたいのか、いつになるのか等、具体的に相手に伝え、
コミュニケーションを円滑にし、目標達成のために彼らとスムーズに仕事を進めましょう!